監査法人業界においてCSとESの重要度は高まっている
- 監査法人にとって、最重要ステークホルダーは、言うまでもなく顧客と所属する会計士(職員)です。
- プロフェッショナルサービスファームである監査法人は、昨今の監査業務の専門化の進展、金融庁の検査方針の厳格化をうけ、顧客満足度の最大化/職員の仕事に対する満足度の最大化をより一層意識した法人運営をしていく必要が高まっています。
- コロナ禍により、求められる監査スタイルも大きく変わりました。リモートワークを組み合わせた法人運営が必要となっている今、顧客の視点と会計士(職員)の視点で、組織の状態(課題)を可視化する重要性は高まっています。
下記の項目に該当するものがないか確認してみましょう。
3つ以上あれば、あなたの組織は「黄色」信号です。
予期せぬ顧客の離反
・増える顧客からのクレーム
・重要顧客の突然の離反
・顧客が何に不満かは掴めていない
続くメンバーの退職
・増える職員からの不平・不満の声
・思いがけない人材の退職
・笑顔や笑い声が減り、活気がない
売上・利益の減少
・低い生産性と仕事の遅延
・売上と利益が徐々に落ち始めた
・外部環境は悪くないのに何故?
顧客満足度と従業員満足度は、ビジネスの成功と連動する
- 顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)は、企業業績(売上や利益)と密接に関連しています。
- ここでは、「Service Profit Chain(サービス・プロフィット・チェーン)」というフレームワークをご紹介します。
- 「Service Profit Chain(サービス・プロフィット・チェーン)」とは、1994年にハーバードビジネススクール教授のジェイムズ・ヘスケットらが提唱したフレームワークです。
- 一言でいえば、「従業員満足度(ES)」が高まれば、「顧客満足(CS)」も高まり、企業の売上と利益も高まっていくという因果関係を示しています。
- 特にサービス業において適用されるフレームワークで、提供価値がサービス(無形であり品質評価しづらい)であるがために、ESとCSの重要性が高いとも言えます。
事実、顧客満足度(CS)が高いほど、事業の成長性と収益性は高い
・高満足顧客は、ほどほどの満足度の顧客の2.6倍収益に貢献する。
Growth Strategies International, 2000
・高満足顧客は、不満足顧客の17倍収益に貢献する。
・高満足顧客は、平均して5-6人に満足体験をシェアする。
そして、従業員満足度(ES)が高いほど、組織の生産性が高い
従業員が幸せである、もしくは、満足している場合において、平均的に生産性は31%高く、給料は37%高い。
475社のサンプルを調査した結果、従業員の全体的な満足度、および、経営陣・報酬・ワークライフバランスに対する満足度は、企業業績に直接的でかつポジティブな関連性があることが分かった。
Harvard Business Review & Personnel Review
監査法人に特化した顧客と従業員の視点を組み合わせた新しい経営管理指標[HICE]
HICE(Health Indicator of Customer and Employee)を経営管理指標として活用することで、事業の成長を占う先行指標として活用することができ、監査法人としての持続的競争優位性を生み出すことに効果を発揮します。
HICE(ハイシー)とは
- 年1回の定点調査:HICEは、年1回同じ時期に定点的に計測を行います。原則として、CS調査とES調査はワンセットで実施します。
- 独自の調査フレームワーク:CS調査、ES調査ともに、業界の特性に合わせて設計された半定型の独自の調査票を利用します。
- HICEスコアを算出:CS調査とES調査の結果を分析し、各項目の満足度と重要度を組み合わせてHICEスコアを算出します。
- OFFICIAL CERTIFICATEを発行:CS調査、ES調査の分析結果を一枚にまとめたHICE OFFICIAL CERTIFICATEを毎年発行します。
HICEを経営管理指標として活用することのメリット
中長期を見据えた競争優位性の把握
顧客満足度はCS総合点、従業員満足度はES総合点という形で、定量化されます。
CS総合点とES総合点を組み合わせたHICEスコアは、中長期に渡って自社が持続的な競争力を維持しえるかどうかを判断できる有効な指標となります。
個別の経営課題の可視化
CS調査、ES調査を継続して行うことで、経営の立場からは日常見えてこない顧客や従業員の変化を可視化することができます。
顧客や従業員の変化を捉えることで、経営判断の精度を高めることにつながります。
PDCAサイクルの強化
CS調査とES調査の結果を踏まえて、顧客満足度や従業員満足度の改善に向けた取り組みを行い、その結果、企業業績へ与える好影響を実感することで、経営のPDCAサイクルをより強固にすることができます。
CS調査のフレームワーク
- プロフェッショナル・サービスファームである監査法人に対するクライアントの満足度は、大きく「監査法人組織に対する満足度」と「監査担当者個人に対する満足度」に分けることができます。
- 監査法人の事業特性、会計士個人への評価の視点を理解した上で、「顧客満足度につながる要素を構造化」し、独自フレームワークを設計・構築しています。
ES調査のフレームワーク
- JSPのES調査は、厳密には「従業員エンゲージメント調査」といって、従業員の組織へのロイヤリティを総合的に計測する設計となっています。
- マズローの5段階欲求説を切り口として、 従業員エンゲージメントを、従業員が組織に求める5つの要素と、組織が従業員に求める要素の両側面から調査フレームワークを設計・構築しています。
HICEを用いた組織診断
- HICEの分析結果を用いて、監査法人の経営状態/競争優位性を評価することができます。
- Ⅰ.持続的競争優位、Ⅱ.燃え尽き症候群、Ⅲ.自己陶酔、Ⅳ. 経営危機の4つに分類されます。
HICE導入の進め方
タスクフロー
- HICE導入支援コンサルテーションは、4つのタスクで構成されます。
- プロジェクト実施期間は2ヶ月~3か月です。
現状の問題意識を共有した上で、調査の方法、対象、実施期間などの基本スペックを検討・決定します。
JSP保有の調査フォーマットをベースに、質問を検討・決定します。
調査票の作成・確定を行います。
顧客および従業員に対して、事前に必要なアナウンスを行います。
CS調査、ES調査を実施します。(ネットアンケートを利用)
回答催促を行い、回収率を高めます。
調査結果の集計・分析を行い、Findingsを整理します。
報告会を開催し、調査結果と経営課題を共有します。
成果物
①ローデータ&単純集計レポート
②調査分析報告書(分析結果と考察・提言をまとめた報告書)
③HICE OFFICIAL CERTIFICATE(JSPが正式に年一回発行する最終成果物)
実績
HICEは2009年にスタートし、10年以上の実績があります。
監査法人の定期健康診断としての効果を発揮し、導入法人の安定成長に貢献してきました。
クライアントの声
HICEは、CSとESを組み合わせた画期的なツールで、毎年1度、10年以上利用させていただいてます。クライアントとメンバーの満足度の相関関係が明確になることで、多くの気づきを受け、 クライアントとのより良き関係、事務所環境整備のPDCAに活かせる最強のツールであると感じています。
監査法人という特殊な組織と所属する会計士に対して大切なクライアントはどう感じているか、何を求めているのかを知るために大変有意義なものです。また、従業員満足度を同時に測り、顧客満足度と合わせた総合的な評価をしてもらえるサービスは、厳しい結果でも会計士のモチベーションを高め、それがクライアントへのサービス向上に繋がると感じています。
JSP様の的確なアドバイスに感謝しています。
調査結果にはなぜそんなに核心をつけるのかと唸ってしまうほど的確なコメントを頂いております。それが組織の改善行動につながり、特にこの1年は組織の雰囲気がよい方向に変わってきたと実感しています。いつもありがとうございます。今後もよろしくお願いします。
よくあるご質問
はい、可能です。お気軽にご相談ください。
カスタマイズの範囲や、CS調査とES調査の規模により費用は変わってきますので、具体的な費用に関しましては個別にご相談ください。
企業が中長期的に安定して成長を続けていくためには、顧客満足、従業員満足のどちらかだけではなく、どちらとも大切(必要)だからです。そして、それぞれが相互に影響しあう要素を持ち合わせているため、同じタイミングで定点的に調査・把握することが望ましいと考えています。
HICEを実施することで、顧客視点&従業員視点での経営課題は明確になります。毎年の変化は如実に現れますので、前年との違いもはっきり分かります。一方で、課題の解決策がHICEだけではっきり分かるわけではありません。解決の方向性(示唆)までは「さらなる競争力強化に向けた課題」のセクションで触れますが、具体策は別途詰める必要があるケースが通常です。
【無料公開中】プロジェクト提案書
監査法人向けのHICE導入支援プロジェクトご提案書を無料公開しております。より詳しい情報をご確認いただきたい方は、ダウンロードください。
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