一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、G検定という資格試験があるのですが、今後ジャンプスタートパートナーズ はAIは活用したソリューション提供を予定していることもあり、代表の安藤が先日受験し、(1週間の短期学習で)無事合格しました。今後、会社としても受験を推奨していくつもりです。

G検定は、AI(主に機械学習とディープラーニング)の基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する試験で、AIの歴史から、機械学習、ディープラーニングの専門知識、最近のトレンドや時事問題など幅広く出題され、AIをビジネス実務で活用する上で基礎知識を獲得する上で有用な試験内容になっているかと思います。

正直な所、G検定に受かったからといって、実務でいきなりAI導入やAI活用ができるようになるわけではありません。ただし、AI(機械学習やディープラーニング)を活用する上で、もしくは、AIエンジニアやAIサービスプロバイダーと話をする上で必要な知識を獲得できるので、AI活用の素養を身につけることにはつながると思います。

というわけで今回は、弊社の記事としては異色ですが、今後ますます増えてくるであろうG検定受験者の方々が、効率よく学び、高確率で合格するための参考情報(テクニックやノウハウ)を提供できればと思います。

G検定の試験概要と難易度

G検定の試験概要は、次の通りです。いまは年3回(3月・7月・11月)行われており、試験日の1週間前までに申し込めば、受験可能です。

受験資格制限なし
実施概要試験時間:120分
知識問題(多肢選択式・220問程度)
オンライン実施(自宅受験)
出題範囲シラバスより出題
受験費用一般:12,000円(税抜)
学生:5,000円(税抜)

問題数が200〜220問あり、試験時間が120分のIBT(Internet Based Testingの略で、インターネット経由で行う試験)であり、1問30秒ほどで解いていく必要があります。よって、考えている時間はあまりなく、ぱっぱっと回答を進めていかないと全問回答することができません。自宅で受験するIBTであるため、試験中にテキストを見ること、インターネット検索することを禁じられている訳ではないというのも特徴です。

難易度としては、30〜40時間の勉強で合格することが可能と思われるので、そこまで合格が難しい試験ではありません。とはいえ、専門性を求められる知識系と論理系(簡単な数学)の問題が多数でてくるため、しっかりとした準備(対策)をしないと一発合格は難しいかもしれません。

私が受験した2020#3の合格率は約60%でしたので、合格率自体はまあまあ高いと言えます。つまり、適切な対策をしっかり行っていれば、合格できる試験と言えることができると思います。
ちなみに、合格ラインは公開されていませんし、自分のテスト結果もわからないので、何割正答すれば合格できるかはわかりません。私の感覚(予想)では、70%正答するとおそらく合格。80%正答すれば、ほぼ確実に合格のはずです。

G検定の合格に必要な勉強時間と時間配分はどうすべきか?

下の表は、私がG検定受験を決めてから受験日までの1週間の勉強スケジュールです。
振り返って見ると、本の勉強で29時間、WEBベースの勉強で12時間、計41時間投入していました。合格には30〜40時間の勉強が必要と言われているので、平均的な量かと思います。

けっこうみっちりなスケジュールと思われるかもしれませんが、1ヶ月間だらだらと続けるよりも、1週間と決めて、短期集中で勝負したほうが、時間効率的かと思います。あらかじめ、どの時間で何を行うか計画しておけば、スムーズに学習を進めることができます。

1週間(7日間)の勉強で合格するには、前半4日はテキスト&問題集を中心に、後半3日は模擬テスト&弱点中心の復習でいくのが良いかと思います。

G検定の合格に必要な試験対策① 〜公式テキストと問題集〜

G検定は、普段からAI関連のニュースをキャッチアップしていたり、AI関連の実務ばりばりの人でなければ、出題範囲に関連する知識を学ぶ必要があります。出題範囲はこちらから確認することができ、例題もあります。

私が試験対策として学習に使った本はこちらの3冊です。
1冊目が公式テキスト、2冊目が問題集(白本)、3冊目が問題集(黒本)です。これ以外にも問題集はあるでしょうし、参考書類もあると思いますが、書籍で勉強する上ではこの3冊をしっかりやれば十分かなという印象です。

まずは公式テキストをしっかり読み込んで、出題範囲に関する基礎知識を理解します。その上で、黒本→白本の順で、問題集を解いていくのがいいと思います。(私は白本→黒本の順でやりましたが、白本の方が少し難しいので、黒本からの方がよいと思いました。)

問題集は最低2回(できれば3回)行い、間違えた問題について、なぜ間違えたかしっかり振り返り、類似問題が出題された際に、間違えないようにしておく必要があります。

G検定の合格に必要な試験対策② 〜YouTube動画〜

テキストだけだとなかなか複雑なコンセプトが頭に入ってこないと悩んでいる方もいるかと思います。特にディープラーニングに関する学習法や関数については、Youtubeの解説動画をみると、あぁそういうことか理解が進むことがあります。

私が視聴した動画を以下に紹介しますが、特にNeural Network Consoleというチャンネルはディープラーニング関連の動画が豊富で、解説は専門的ですが、丁寧でわかりやすいです。

こちらのAble Programmingというチャンネルは、機械学習についての解説動画もあり、おすすめです。

こちらは、予備校のノリで学ぶというコンセプトで、非常にわかりやすい解説をしてくれます。

G検定の合格に必要な試験対策③ 〜模擬テスト〜

G検定で合格するために、必ずやっておいたほうがいいのは、事前の模擬テストです。自宅のパソコンで、ブラウザ上で問題に回答していくやり方についても把握できますし、実際に2時間で200問程度を解くことで、自分の立ち位置も理解できます。

Study-AIの模擬テスト

DIVE INTO EXAMの模擬テスト

どちらの模擬テストも無料です。テスト後に、間違えた箇所をしっかり確認しましょう。
試験直前にやればいいと思いますが、正答率70%-80%くらいは目指したいところです。

G検定の合格に必要な試験対策④ 〜直前の知識整理〜

学習した知識を整理する上では、WEB上にあるまとめサイト(?)が参考になります。押さえておくべき知識が1ページにまとまっているので助かります。

【G検定チートシート】AI関連法律や動向含む試験当日のカンペ

AI用語まとめ

【AI入門・G検定】JDLA Deep Learning for GENERAL 2018#1 推薦図書キーワードまとめ

【JDLA G検定】出題単語集

G検定 試験当日のテクニック

①自信がない問題は、悩まず適当に回答しておいて、全問回答後に再検討する。

G検定は、2時間で220問程度という試験特性から、「時間との勝負」になります。
下の画像は、チュートリアルのものですが、質問文の左上に「この問題をチェックする」があります。

ここをチェックしておくと、あとで全問一覧画面(↓)でチェックをつけた問題があります。全問回答後、自信がないので再検討したい問題にチェックしておくと便利です。

変に悩んで、時間を無駄遣いすることを避けましょう。

②即答できない知識系問題は、Google検索で1分以内に回答する

G検定は、最新のAIトレンドや時事問題からも出題されますので、問題を読んでも、答えの見当が全くつかないこともでてきます。そうした時に、知識系の問題であれば、Google検索で答えを見つけることができます。

G検定の問題テキストはコピー&ペーストができません(テキストの選択禁止となっている)ので、自分でキーワードを入力する必要があります。デュアル・ディスプレイの環境を強くおすすめしますが、答えが検索結果として出てくるようにできるだけ固有名詞(専門用語)で検索します。

検索結果に対しては、Googleが提供する強調スニペット(簡単な回答やサマリー)か、検索結果の記事タイトル+記事の概要文のみを流し見します。実際にページの中身を見にはいきません。見にいっても、答えを短時間で見つけるのはかなり難しいからです。なので、むしろ、キーワードを変えて、もう一度検索したほうがいいです。検索結果のtop1〜5を流し見して、問題で問われている答えを見つけます。1分で見つけられなかったら、適当に選択肢を選んで、次に進みましょう。

③時間配分を間違えない

時間切れで、最後まで回答できずに終了してしまうと、合格率はぐっと下がることでしょう。なので、時間切れにならないように、テスト中の時間配分はあらかじめ決めておきましょう。

私のオススメの時間配分はこちらです。
30分経過時:60問回答
60分経過時:120問回答
90分経過時:180問回答
110分経過時:220問回答
ラスト10分:チェックを付けた問題の再検討(10問〜20問が目安)

ペースが、予定の時間配分より遅れている場合は、ペースアップをするとともに、検索にかける時間を減らして、スピードアップをしたほうがいいでしょう。