「顧客(消費者)に対するアンケート調査からは、顧客の本音は分からない」という意見を耳にすることがあります。果たして、それは本当でしょうか? 今回は、アンケート調査から顧客の本音は分からないのか?について考えてみたいと思います。
まずは、アンケート調査の流れについて触れたいと思います。アンケート調査を実施する上では、基本的に次のステップで進めることになります。
①仮説構築→②調査設計→③実査→④集計・分析→⑤解釈
この5つのステップで、それぞれ正しい方法で進めることができなければ、求めている答えに到達しないというのは勿論なのですが、最終的に「差」を生み出すのは、⑤解釈のところです。
例えば、新サービスの購入意向度調査をしたとしましょう。アンケートの回答者にとっては、まだ見ぬサービスなので、実際に自信が購入するかは本人にとってもまだ分かっていないわけですので、アンケート結果から直接的な未来予測ができないというのはその通りです。
しかし、アンケート回答者の属性情報を正しく理解していれば、どういう人たちがどれくらい好意的な反応をしてくれているかはわかります。また、既存のサービスや、他の類似サービスの購入意向と比較することで、実際にどれくらい売れているか把握可能なサービスからの情報も得られます。
こうした情報から、アンケートから導き出された分析結果を、「解釈」するのです。正直なところ、どう「解釈」するかは、分析者(アナリストやコンサルタント)のセンス(≒知識や経験の積み重ねから生み出せるハイレベルな洞察)に依存するのですが、よい解釈ができれば、かなりの精度で、顧客の本音を掴むことができます。