中小企業が自社のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を始める際に、まず必要なのが、ビジネスツールのクラウド化(クラウド型のビジネスツールの導入)です。
なぜなら、クラウド化することで、どこからでも&どのPCからでも作業ができるようになりますので、働く場所から解放されることに加え、個々人のデータがローカルPCからオンラインストレージに移行されるので社員間のコワーキング(共同作業)が進みやすいなど、作業生産性を高めることにつながるからです。
そして、クラウド・ビジネスツールとしては、グーグルが提供する「G Suite(ジースイート)」とマイクロソフトが提供する「Microsoft365(旧Office365)」の2択となります。
G Suite vs Microsoft365 の比較
まずはこちらの比較表をご覧ください。
(20.4.24時点) | G Suite | Microsoft 365 |
---|---|---|
料金(ユーザー/月) | 680円 | 540円(デスクトップ版Office有) 1,360円(デスクトップ版Office有) |
メール | Gmail | Exchange Online / Outlook |
表計算 | Googleスプレッドシート | Excel |
文書 | Googleドキュメント | Word |
プレゼン | Googleスライド | PowerPoint |
スケジュール | Googleカレンダー | Outlook |
オンラインストレージ | Googleドライブ(30GB) | OneDrive(1TB) |
ビデオ会議 | Meet (ハングアウト) | Skype / Teams |
社内サイト | Googleサイト / Google+ | Yammer / SharePoint Online |
アンケート作成 | Googleフォーム | Forms |
チャットツール | Hangouts Chat | Microsoft Teams |
ノート | Google Keep | OneNote |
インストール制限 | 無制限 | PC5台まで |
基本的には、どちらでもほぼ同じ機能のツールが揃っています。
までは機能的な差として留意すべきは、G Suiteのオンラインストレージは30GB、Microsoft365は1TBとかなり差があります。通常使いだとなかなか30GBまでは使わないので気にしなくてよいと思いますが、写真や動画ファイルを大量に保存する会社さんだと気をつけるべきでしょう。
もう一つは、インストール制限で、G Suiteは1アカウントあたり何台のPCやスマホからでもアクセス(利用)し放題ですが、Microsoft365はPC5台、スマホ5台までと制約があります。
あと、G SuiteもMicrosoft365も、Gmail / Outlookを使う際に独自ドメイン(企業ドメイン)を利用することができますので、便利です。
料金は、1ユーザーあたりの月額利用料が、G Suiteは680円、Microsoft365が540円なので、大差ないですが、若干Microsoft365の方が安いです。
社員が50人の場合、年間料金の差は84,000円(=(680-540)*12*50)なので、安い方で選ぶよりも、自社にあったツールを選ぶべきでしょう。
オススメは、 G Suite
結論として、私はどちらがオススメかというと、G Suiteです。
ローカルアプリとしての歴史をもつOfficeと違い、当初からWebベースのアプリとして開発されたG suiteの方が、オンライン上で作業する上では使い勝手がよいです。
理由1:メールは、Gmailが最強
あらゆるビジネスパーソンが、メールを利用していると思いますが、なんだかんだでメールソフトはGmailが最強です。どの端末からでもアクセスでき、全てのメールを集約できますし、無料で、容量が十分に大きく、メールフィルタは使いやすく、ウィルススキャンや不正アクセスにも強いからです。
(※事実、プリインストールのiPhone除いて、グローバルシェアでGmailが圧勝です)
理由2:検索性が高く、モバイルとの連携が便利
Googleのサービスですから、検索機能はかなり強いです。グーグルドライブで検索をかけると、全ツールを対象に、ファイル名だけではなく、コンテンツ情報も検索して、表示してくれます。なので、「あれ、どこっだったけなー!?」で時間を浪費しません。
また、Googleカレンダーなどのアプリも使いやすく、モバイル連携することで、業務効率が上がります。
理由3:スプレッドシートの方が、業務自動化(RPA)しやすい
スプレッドシートは、オンライン型の表計算ソフトですが、実はスプレッドシートにはあって、Excelにはない機能があったりします。その一つが、Importrange関数なのですが、これがなかなか便利で、関数で指定することで、他のシートから指定範囲のデータをそっくりそのままコピペして、自動同期してくれる機能です。つまり、シート間のデータ連携がかなりしやすくなります。
また、業務の自動化を図っていく上で、データ処理の自動化などRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を行う際に、Google Apps Scriptを活用しながらスプレッドシートをベースにして実装する方がやりやすいというメリットがあります。
まとめ
というわけで、オススメはG Suiteではあるのですが、ほぼ同じことがMicrosoft 365でも実現できますので、どちらが自社に合うか検討された上で、導入判断をされてください。
社員の多くが、ローカルでエクセルや、パワーポイント、ワードを使いまくっているという会社さんは、Microsoft 365にした方がツール移行のコストが低いので、G Suiteにしなくていいかと思います。
いずれにせよ、ビジネスツールをクラウド化することはDXの第一歩かと思いますので、まだ対応されていない場合は、さっさと移行しましょう。
参考記事
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