DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉を聞く機会が増えてきたとはいえ、DXとは何か?を理解できている経営者はまだまだ少ないという認識です。

今回は、主に中小・中堅企業の視点で、DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは何なのか、私なりの意見をできるだけ分かりやすく、まとめてみたいと思います。

DXとは、デジタル技術を活用して、企業競争力を高めること

平成30年12月に、経済産業省はデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)をまとめており、その中でDXの定義を次の通りとしています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

DX(デジタル・トランスフォーメーション)を理解する上での重要なポイントは、「データとデジタル技術の活用」と「競争上の優位性を確立すること」の2つだと考えてます。

端的に言えば、DXとは、「デジタル技術の活用して、企業競争力を高めること」と理解すればいいと思います。

DXの全体像を理解する

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは「デジタル技術の活用して、企業競争力を高めること」と定義しましたが、それでは「データとデジタル技術を活用する」、「企業競争力を高める」とは、何を意味するのか考えていきます。

データとデジタル技術の活用:4つのデジタル化

「データとデジタル技術の活用」とは、次に挙げる4つのデジタル化の推進であると考えています。

  1. コミュニケーション(情報流通)のデジタル化
  2. フロント業務のデジタル化(ビジネスモデルのDX)
  3. バックオフィス業務のデジタル化
  4. 経営(経営管理)のデジタル化

この4つの解説については、また別記事で行いたいと思います。

企業競争力の向上:スピード↑品質↑コスト↓

DX推進による企業競争力とは何なのか、突き詰めると次の3つになります。

1. スピード(効率)の改善

2. 品質(精度)の改善

3. コスト(費用)の削減

スピード(効率)の改善

DXによって、従来10の時間(工数)が掛かっていた業務が、7〜8、場合によっては2〜3の時間(工数)で完了させられることを意味します。つまり、DXが進んでいる企業は、他社よりもプロダクト開発やサービス改善のスピードが早くなります。

具体例としては、従来アナログ(紙ベース)で外部委託していた市場調査を、内部で行うインターネット調査に切り替えた場合、設計から結果が出るまで1ヶ月掛かっていたものが、1週間(早ければ2-3日)で終わります。

品質(精度)の改善

品質と書いてますが、言葉として正確性が高いのは「精度」の改善という理解です。同じ人が携わる場合、デジタル技術の利用で仕事の品質(Quality)が改善することは稀ですが、精度(Accuracy)(=ミスが減る)が改善することは大いに期待できます。

具体例として、経営(経営管理)のデジタル化を推進することで、現場の成果(パフォーマンス)がリアルタイムKPIとして可視化することが可能です。こうなると、従来よりも早いタイミングでより性格な情報が経営に届くので、経営判断を行うスピードだけでなく、精度も改善します。

コスト(費用)の削減

デジタル化のためのITツールは導入費用がかかりますが、正しい使い方ができれば、企業としての総費用は下がる可能性が高いです。基本的な考え方として、社員が携わる業務は、低付加価値な単純作業は機械化(自動化)し、高付加価値な業務に寄せていくことで、同じ成果を出すための人員数は少なくて済むようになります。

具体例として、事務員が請求書の発行や、各種帳票の管理、ファイリングなどを行なっていたとして、そうした業務をデジタル化すれば、ペーパーワーク自体が無くなるので、事務員分のコストが浮きます。