外食大手のすかいらーく が、臨時株主総会を開き、横川社長を解任した。
創業家社長が株主から解任されるなんて、日本の資本市場も大きく変わってきたということだろうか。
2年前に実施したMBO(Management Buy Out = 経営陣が参加する買収)は、一度非上場化することで、大胆な経営改革を実施し、早期の業績回復を計るという狙いだったが、予想とおりそう簡単にはいかなかったというわけだ。
MBOは一時期、有効な戦略オプションの1つとみなされる風潮があったが、今後その選択を躊躇する経営者は増えるだろう。
そもそも外食業界の市場環境は、非常に厳しく、今後も回復基調になることは期待できない。
日本における胃袋の数が少なくなっていくのは自明で、国内だけで戦っていくためには他社からシェアを奪っていかないといけない。また、日本人の嗜好性も多様化しており、同じ業態(店舗フォーマット)の単純拡大だと、すぐに飽きられてしまう。
現在の外食業界で勝ち残っていくためには、大きく2パターンの戦略しかないと思う。
1つは、日本マクドナルドのように、単一業態だが、徹底的にコスト削減し、メニューの改廃を継続的に行なうとともに、CM等で積極的なマスコミュニケーションを行なう。もう1つは、際コーポレーションのように、多様な業態を展開し、時代に合わせて、業態転換を実施し、消費者の嗜好に合わせる。
しかし、すかいらーくのように、大手のファミレスチェーンは、すでに既設の店舗網があだとなって、業態転換も簡単ではない。メニューの改廃といっても、業態がファミレスだと、現在の状況の打破につながるような驚きは作り出せないだろう。
すかいらーくは、当面新体制でリストラをすすめることになる。最大350店の閉鎖といわれているが、正直、経営再建のためには、リストラ先行で、不採算店をつぶし、利益のでる企業体質にするしか選択肢はない。上述のように、売上拡大の戦略は事実上極めて困難なので、経営の優先課題は必然的に益出しになる。(ファンド側の注文も100%そう)
まずは、谷新社長がリストラを早期に断行できるかに、全てがかかってくるだろう。