ベンチャー企業に限らず、新しいビジネス(商品)を軌道にのせるためには、先行投資が必要になります。

先行投資とは、しばらくの間は、事業として割に合わない(赤字基調の)活動だが、中長期的にキャッシュを生み出すことを見越して、はじめの段階で必要十分の資金投入をすることです。

その一つが、パイロットプロジェクト。

ソリューションとしての磨きをかけるために、低額でPJを受注し、クライアントと協働でいわば試行を行い、仮説を検証する。

このような先行投資を有効に行うことで、事業としての成長力を高めることができます。私がつかっているこのアメブロもサイバーエージェントは長い間先行投資と割り切って、出し続ける赤字を我慢してきました。そして、ついにここにきて黒字化したというニュースが流れています。

但し、先行投資にはデメリットもあります。

先行投資をしている間は、投入するコストに対して回収できるリターンがすくないため、本来別の活動をしていれば稼げたはずの収益が目減りしてしまいます。また、先行投資をしても、花開かずに回収できないこともあります。

このように、先行投資といっても、微妙なバランスの中で、どの程度の規模の投資にするのか難しい判断を迫られることになるのです。

最近思うのは、経営者として、先行投資できるか/できないかは、重要な素養だということです。

長期的なリターンを見据えて、短期的には苦しくても我慢して、先行投資する。しかし、絶対に会社がつぶれないようにリスクヘッジの手段を2重、3重に用意しておく。巧みに先行投資できる経営者のいる会社は、普通の会社よりも大きくなると思うのです。