品質を高め、維持するのはタダではない。企業はコスト(費用)をかけて、品質を維持し、ブランドを高めていく。しかし、品質を高めるために、コストをいくらかけてもいいというわけでは当然ない。要は、品質とコストはトレード・オフの関係にあるのだ。

コスト・オブ・クオリティには4つの種類がある。

①Prevention Cost:欠陥品が製造されないようにするための予防費用。製造、デザイン、テスト関連費用を含む。

②Appraisal Cost:品質監査、品質保証のために必要となるコスト。

③Internal Failure Cost:顧客に届く前に発見された欠陥品の補修・廃棄にかかるコスト。

④External Failure Cost:欠陥品が顧客に届いてしまったことにより発生するコスト。

①と②にお金をかけると、③と④の発生率が下がるので、③と④にかかるコストが下がる。逆もまたしかり。

なので、理論的には、①と②にかかる費用と③と④にかかる費用が同水準になるポイントが、コストオブクオリティが一番低く、企業として最適な状態といえる。

しかし、実際には、その最適点はみつけることは不可能である。(特に④は見えないコストといえるので)

理想論的には、企業として目指すべき質的水準を確保でき、かつ、そのために必要となるコストを最小化するよう、費用配分を調整していくという考え方である。