私のお世話になった方がが働いている不動産ベンチャーが先日倒産しました。
昨年まで急成長していて上場までしたのですが、サブプライム危機のあおりで資金繰りにつまづき、破産手続きの決断にいたったとのこと。
その会社は、社員が若くまだまだという部分も多かったのですが、会社の風土や価値観はすばらしく、役員もみな素晴らしい方たちばかりでした。
サブプライムローン問題の波及がここまで急激でなければ、倒産することもなく成長を続けることが出来たはずの将来有望の会社でした。非常に残念。
いくつか思うことがあります。
1.企業経営は、実力だけでは、どうにもならないこともある。
ひとつは、外部環境の問題。どんなに優秀な人たちが多くても、景気が落ち込めば、会社業績も落ち込みます。景気循環に作用されにくい企業体質をつくるのが経営者の仕事といえば、そこまでですが、時代の流れやトレンドをうまくよみ、のらないといけないのも事実。また、金儲けのことしか考えていない社長のもとで、従業員が搾取され続けている企業が行き続け、大志をいだいている会社がつぶれるという、無常も存在しているのも事実。本当に企業経営は難しい。
2.見えないリスクに対し、どう対処するか。
サブプライム問題がひどくなるまでは、不動産業界は流動化バブルの状態にあり、ぶつを作ればファンドにうっぱらってだとか、場合によっては土地の転売でばんばん稼げました。この会社の(おそらく)最も大きなミスジャッジは、会社の成長を優先させすぎたこと。そのため、組織力の実態以上の売上と利益をつくってしまった。しかし、上場したため、継続成長が求められる。そこで、まったく予想できなかったサブプライムローン問題の突然の波及。結果論ですが、3,4年前の時点の成長スピードを少しゆるめ、企業体質強化にエネルギーを割いていれば、利子負担もすくなく、この時期をなんとか耐え抜けたかもしれません。
従業員の方々は、あらたに職を探す必要があり、それを考えると非常に気の毒である。