では、問題はどのようにValue Addするか。ざっくりいうと、以下の6つに分けられるのではないかと思います。(※以下は、私の見立てなので、過不足ある可能性があります)
1)取締型(経営アドバイス)
最低月に一度、取締役会に参加することをベースに、投資先経営陣に対して、経営的観点から的確な助言を行う。
2)メンター型(経営トップ支援)
経営陣のメンター(コーチ)として、ビジョン作りを手助け、悩みを聞き、時には叱咤激励し、動機付けも行い、経営陣の力量を底上げする。
3)人材紹介型/バリューチューン形成型
投資先に人材が足りない場合は外から適任を引っ張ってきて、バリューチェーンが欠落していればパートナー企業を見つけてくることで、より強固なビジネスに仕上げていく。
4)専門知識の提供(知恵貸し)
局面局面で現場に入り込み、戦略・マーケティング・会計財務・法律・営業・人事等々に関する実務レベルでの専門知識を提供する。もしくは、客観的見地から、新たなアイデア出し、議論のパートナー役を担い、現場の活性度を高める。
5)特定機能代行
CFOや、経営企画部長、営業部長など特定機能をより強固なものにするために、組織長としてリーダーシップを発揮し、部下を育て、組織を率い、成果を出す。
6)プロジェクトマネジメント
人事制度構築、サプライチェーン改革、販路拡大など特定ミッションを担うプロジェクトリーダーとして、チームを率い、全体のマネジメントを行い、成果につなげる。
実際には上記のような紋切り型で仕事をしているキャピタリストはいないと思いますが、分類すると、こんな感じという意味合いで分けてみました。やはり、どれも特殊スキルなので、簡単に価値提供できるわけではありません。
元コンサルとしてやりやすいのは、4)と6)でしょうか。
ハンズオンは、諸刃の剣。投資先を支援することで成長スピードは速まるが、やりすぎると投資先はVCに甘え、逆に育たなくなる。そんな絶妙なバランスをとる必要もあり、なんでもやればいいという訳ではない所が、難しいのだと思います。