日本でも、個人の間でツイッターが一気に普及し始めた感がでてきてますが、企業レベルで積極的に使い始めている会社はまだあまりない様子。

一方、アメリカでは、SNSをマーケティング戦略に積極的に活用し始めている会社がでてきており、そのインパクト(効果)は非常に大きいと感じています。

分かりやすいのが、格安航空会社のジェットブルー。以下は、こちらからの引用。

ジェットブルー(@JetBlue)は、ツイッターでのフォロワーが160万超というだけでなく、11万以上をフォローし、DM(ダイレクトメッセージ)の利用も多い。ジェットブルーのツイッター活用は、理屈を言うより、まずいくつか例を知るのが近道だ。
◆空港カウンターで待つ乗客にすぐ対応
 デイブ・ラファエル氏は、ボストンからデンバーの4時間半のフライトで空調に悩まされ、到着してすぐ「@jetblue 7:55pmのボストン-デンバー便は暑すぎた。ひどいよ。」とツイート。すると、なんと2分後にジェットブルーから「教えてくれて感謝します」とのメッセージが。ラファエル氏は、自分を気にかけてくれていることに印象付けられた。
 そして翌日遅く、帰りの夜間便の前にリラックスしようと早めに空港に向かった。ところが、カウンターには誰もいなかったのである。そこで「@jetblue デンバー空港でバッグをチェックインしたいが、カウンターに誰もいない。どうしたらいいんだ?」とツイートした。すると、7分後「GM(ジェネラル・マネジャー)とスーパーバイザーに知らせます。何人もお待ちですか?」、29分後「GMのテレサに知らせました」、36分後に「間もなくクルー・メンバーが到着します」との返答が。
 途方に暮れそうになったラファエル氏の気持ちが救われたのは言うまでもないだろう。

このように、ジェットブルーはツイッターにて既顧客・潜在顧客をフォローすることで、現場で何が求められているかをリアルタイムで把握し、即問題解決につなげることで、サービスレベルと顧客満足の向上を実現している。そして、この事実が、ツイッターでつぶやかれ、他の人たちもジェットブルーに対して関心を示すようになるわけだ。ジェットブルーは、どうやら”ジェットブルー”に関してつぶやている人を探して、その中でも特に影響力のある個人を中心にフォローしているようだ。潜在顧客に気味悪がられないように、慎重に(丁重に)個人と接している点も非常に興味深い。

何がすごいって、ツイッターを用いることで、従来のマーケティング戦略の基本理論が大転換を迫られる点である。伝統的にマーケティング戦略は、STPといって、顧客をいくつかの共通のニーズをもつセグメントに分け(=セグメンテーション)、そのなかでのターゲット顧客を決め(=ターゲティング)、自社の立ち位置を決める(=ポジショニング)ことで、より効率的・効果的に儲かる仕組みを創るという考えに基づいている。

しかし、ツイッターをはじめSNSを利用することで、企業は「顧客セグメント」ではなく、「特定の個人」に対してダイレクトにコミュニケーションをとることができる。SNSのメリットは、不特定多数のユーザーの中から、特定少数のインフルエンサー(強い影響力を持つ個人)を特定できることだ。日本で言えば、勝間和代氏やほりえもんがわかりやすいだろう。彼らのようなある種オピニオンリーダーが、「これ、すごくいいっ!!」って、ツイッターでつぶやけば、30万人強にそれが響き、その30万人強が共感すれば、もう一回りすることで軽く300万人に影響を与えることが出来る。企業のマーケティングサイドからいえば、このようなインフルエンサーに対してどのようにアプローチし、よい関係を築けるかが鍵を握ることになる。

マス・マーケティングの実効性がどんどん落ち込んでいっている中、SNSを巧みに活用する企業は、より大きなインパクトを顧客に与えることが出来る。日本でも、早晩ジェットブルーのような企業が出てくると思われます。ちなみに、今日大学の講義で、インターネット・マーケティングの会社のVP・マイクさんは、SNSをつかったマーケティング戦略の肝は、「自社商品についてではなく、あくまで顧客について語ることだ」を仰っていました。

あと、関連する話題として、グロービスの堀さんのツイッターに関する仮説とそれに対するほりえもんのつっこみが面白い。

※参考
ツイッター7つの仮説
堀さんがtwitterに関する面白い記事を書いてたので突っ込みなど