ISM(Information System Management)のクラスは、IT自体について学ぶのではなく、マネジャーとしてどのようにITを活用していくべきかについて学ぶことにフォーカスしています。

本日のISMのケースは、グーグル。

グーグルについて説明する必要はないと思いますが、ケースで興味深かったのは、巨大なグローバルカンパニーになったグーグルがどのように”継続的に”イノベーティブなサービスを提供しつづけてきたかに触れられていた点です。経営陣は、イノベーションをマネージしようと取り組んでいるのです。

まず大事な点として、「グーグルのミッション(基本理念)の明文化」が挙げられるでしょう。憲法というと大げさでしょうが、グーグルという組織で、何が良しとされ、何が良しとされないかを明らかにし、困った時に立ち戻るべき指針です。グーグルのホームページでも公開されていますが、”You can make money without doing evil”(悪事を働かなくてもお金は稼げる)なんかは、マイクロソフトに対する反骨精神をもろに出している感じがあって、面白いです。

次に仕組みですが、グーグルに属する全ての社員には70:20:10ルールが適用されており、イノベーティブな仕事に取り組むよう経営から推奨されているのです。
・時間の70%は、グーグルのコアビジネスに関する仕事をする。
・20%は、コアビジネスに関連するプロジェクトをする。(社員自ら選択可能)
・10%は、コアビジネスに関係のないプロジェクトをする。(やりたい放題)

また、有名な話ですが、グーグルの本社のファシリティは、社員の創造性を刺激することを目的に、”遊び”のスペースが多分に設けられています。

加えて、多くのプロジェクトは、3から5人の少人数制で組成されることになっています。これは、大きなグループではなく、小さなチームの方が生産性が高いという考えに則ったもので、合点がいきます。

どれだけ優秀なエンジニアをより多く囲うことができるかが、新プロダクトの質と量、スピードを決めるので、当然採用にも相当力を入れています。グーグルの採用は委員会方式で、入社候補者は最低6人の管理者か社員と面接し、全員がOK出せば、入社できる仕組み。優秀な人材を雇い、その優秀な人材を採用プロセスに巻き込むことで、さらに優秀な人材を採用できると考えている。

理念⇒戦略⇒仕組み⇒実行のサイクルに筋が通っている会社は、強いですね。

ちなみに開発中のプロダクトは、Google Labsに行けば、一部体験することができます。メジャーリリースされているプロダクト以外に、これだけ多くのツールが開発中なわけで、グーグルの底力がよく伝わってきます。