今日のISM(Information System Management)の授業のケースは、ネットフリックスであった。ネットフリックスは、1997年に米国で創業されたオンラインDVDレンタルを柱とする事業会社で、独自のビジネスモデルで急成長した。日本にも同じビジネスモデルが輸入され、TSUTAYAのDISCASやライブドアのぽすれんが有名である。

ネットフリックスのケースは、新規事業立案のお手本のようで、面白い。

そもそも起業の動機は、現社長(創業者)が、レンタルビデオを借りていたのを忘れており、延滞料として40ドル払わされたことがきっかけで、その他の多くのユーザーが同じようなことに不満を持っているのではないかと考え、延滞料が発生しないビジネスモデルを創れないものかと考えたことにはじまる。

事業を立ち上げる上で、テクノロジーの発展が市場にもたらす影響を、ビジネスモデルに巧みに織り込んだことが成功のポイントといえると思います。

ネットフリックスが着目した外部環境の変化は、
インターネットの普及:97年はインターネットが本格的に普及し始める時期であり、ネットを使ったビデオレンタルという発想はそれまでなかった。
DVDの普及:ビデオ(VHS)からDVDへの移行が進み始めている段階で、DVDであれば送料を安く抑えることが出来た。
ロジスティックスの質的向上:USPS(アメリカにおける郵便局)を利用することで、1営業日内にユーザー宅に届けられることがわかった。

この3点は、当時他の競合には見えておらず、ネットフリックスだけに見えていたOpportunity(機会)だったんですね。

この外部環境の変化を捉え、月額制のオンラインDVDレンタル事業を開始したのですが、事業上の競争優位としては、
・計70,000タイトルから選べる。 (通常のレンタル店は2500タイトルほど)
・DC(配送センター)から1営業日で、家につく。
・月に何枚でも借りられる。延滞料はなし。
・サイトにレコメンデーション機能があり、本人の志向にあったビデオを推奨される。
・キューに借りたいビデオの優先順位をつけておくことで、自動的に希望のものから配送してくれる。
が挙げられます。

日本ならともかく、広大なアメリカで1営業日でユーザー宅に届けるというのは凄いと思うのですが、全米で44のDC(配送センター)があるようです。ざっと各州の最大都市に1つDCがあるイメージでしょうか。

参考までに、ネットフリックスのDCの様子。作業を定型化し、徹底的にスピードを追求しています。