1) Stabilizeの次は、2) Analyzeです。

これがターンアラウンド実務の興味深い特徴なのですが、会社のキャッシュフローを安定化させてから、本格的な課題の分析・特定作業に入るわけですね。

ここでは、いくつか本質的な問いについての答えを出さなければなりません。

– Is the business model working? (BM is broken or not?)
– Where should we compete? How should we compete?
– How do you assess your people/employees? What are their strengths?
– What is your corporate culture?
– What are the core issues your company is facing

特に重要なのが、自社のビジネスモデルが機能しているのかどうかということ。
ビジネスモデルが時代遅れになってきている場合には、相当大掛かりなてこ入れがなされない限り、復活はないわけです。

あとは、ターンアラウンド・マネジャー自らが社員ヒアリング、サプライヤーや顧客などへのヒアリングを直接行い、自ら現場に足を運ぶことが必要になります。

日産のカルロス・ゴーンのケースは有名ですよね。(以下、昔私が書いた論文より抜粋)

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 1999年4月12日、カルロス・ゴーンは、日産自動車株式会社に着任する。正式に日産のCOOに就任する約3ヶ月前である。

この3ヶ月の間ゴーンが取った行動は徹底的なヒアリングであり、35歳から45歳までの中堅幹部を中心に総勢600人に及ぶ面接を行ったのである。これは彼のマネジメントポリシーである現場主義の表れであり、その目的は日産の抱える問題の特定であった。6月25日の正式就任までの立場上「フリー」の3ヶ月間を活用して、問題点を明確化し、頭の中で先行プログラムを考えていたのである。

加えて国内外の全生産拠点へ自ら足を運び、現状視察も精力的に行った。ゴーンは何か問題解決に当たらなければならない事態が発生したとき、必ず現場の声を情報として仕入れるようにしている。工場や販売拠点、サプライヤーを自らの足で訪問し、現場の声に耳を傾ける。あらゆるレベルからヒアリングを行い、どこに問題の核心があるのかを明確化させるのが目的である。

そして、ゴーンは「日産の根本的な問題は、経営陣が方向を見失い、利益を上げるためになすべきことの優先順位を見失っていたことにある 。」と問題の核心を見極めた。
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