ターンアラウンドの記事で触れましたが、企業再生においては、事業のダウンサイジング(=事業規模の縮小)が初期の段階で行われることは一般的であり、その際、人員削減(=Layoff)が行われます。

アメリカは、雇用(解雇)規制が非常に緩いので、日本と比べるとかなり容易にlayoffできるわけですが、今回は、アメリカにおけるLayoffについての考え方についてまとめてみたいと思います。

本題に入る前の予備知識として、アメリカでLayoffしやすい理由を確認しとくと、、、

米国において企業が従業員を雇用する際は、多くの場合at-will basisといって「雇用者と被雇用者は、いつでもどのような理由であれ、理由や事前通告なしに雇用契約を解除することができる」事になっている。これが米国において解雇が許容される法的根拠であり、労働力の流動性の源泉である

これがあるから、米国企業は景気の下落局面で、素早く労働力を減少(=レイオフ)させることで、業績の健全性・競争力の維持を達成しやすい

一方で、被雇用者の企業への忠誠心は低く、ジョブ・ホッピングが当たり前となる

結果、失業率高止まりし、5%(←今の日本の失業率)が最良の状態とされる。

実際、今のアメリカの失業率は9.8%で、金融危機前の2008年4月が5.0%だから、一機に2倍になったわけである。

ちなみに、米国の(日本で言う)労働基準法では、雇用者に対して、被雇用者を人種、肌の色、宗教、性別、出身、年齢で差別することを禁止している。上記の要件はProtected Classesと呼ばれ、例えば採用時に年齢が45歳なので不採用とすると、厳しい罰則を受けることになる。というわけで、アメリカにおいては、従業員の首を切る際に、理由はいらないのだ。

さて、一口でレイオフといっても、3つのタイプに分類することができる。

1) Voluntary layoff
=希望退職

2) Involuntary layoff without a specific plan
=計画的ではない、整理解雇

3) involuntary layoff with a plan
=計画的に行われる整理解雇

さて、この3つの中で、アメリカにおいて企業(雇用者)側の選択肢として最悪な選択肢(worst choice)はどれでしょう?