この本は、米国で著名なマーケティングコンサルタントによるもので、アマゾンの書評でもそこそこ高評価です。内容はタイトルそのままで、強いブランドを創るための基本ルールを、数多くの事例とともに紹介するもので、根拠が弱いところもありましたが、意外性のある法則も含まれており、ブランディングの基礎を理解するためにさらっと読むには良い本でした。

22の法則を紹介すると、

1.商品数拡大の法則:商品数(SKU数)をむやみに増やすと、ブランドの力は減退する。

2.限定の法則:(商品やサービスの)フォーカス(注力点)が限定的であればあるほど、ブランドはより大きな力を発揮する。

3.広報活動(Publicity)の法則:ブランドの誕生は、広告宣伝(Advertising)ではなく、広報活動(Publicity)によって実現される。
※ここでいうPublicityとは、新聞や雑誌などにお金をかけることなくメディアに露出することを指します。

4.広告宣伝(Advertising)の法則:ブランドの誕生後は、そのブランドの健全性を維持するために、広告宣伝が必要となる。

5.単語の法則:いかなるブランドも、1つの言葉で消費者から想起されるようにならなければならない。(= Own a word in the mind of th consumer)

6.信頼の法則:あらゆるブランドにおける最重要の成功の秘訣は、本物であることへのこだわりである。

7.品質の法則:品質は重要である。しかし品質だけで、ブランドが形成されるわけではない。

8.カテゴリーの法則:リーディングブランド(≒あるカテゴリーでトップシェアのブランド)は、自ブランド自体ではなく、カテゴリー(≒市場)を拡大するよう努めなければければならない。

9.ネーミングの法則:長期的視点においては、ブランドのネーミング以上に重要なものはない。

10.ブランド拡充の法則:ブランドを毀損する最も簡単な方法は、あらゆる商品に同じブランド名(冠)をつけることである。

11.交友の法則:新しいブランドカテゴリーを形成するためには、競合ブランドの参入を歓迎すべきである。

12.”一般的”の法則:簡単に失敗する方法の一つは、ブランドに一般的な名前をつけることである。
※GeneralやStandard、American、NationalなどがGeneric Nameにあたります。

13.企業の法則:ブランドはブランドであり、企業は企業である。ゆえに区別が必要なのだ。

14.サブブランドの法則:ブランドが創り上げてきた財産は、サブブランドによって消滅させられてしまう。

15.兄弟ブランドの法則:第2のブランドを投入するには、時期と場所が重要である。

16.ブランドロゴの法則:ブランドのロゴは、眼で見て、瞬時に認識できるようでなければいけない。

17.色の法則:ブランドは、主たる競合とは間逆の色を使うべきである。

18.境界の法則:グローバルブランドになるためのカベなどない。限界があるなどと考えないことだ。

19.一貫性の法則:一夜にしてブランドは形成されない。成功は、数年ではなく、数十年で計られるべきだ。

20.変化の法則:ブランドを変えることはできる。しかし、ごくたまに、しかも、慎重に行うべきだ。

21.死の法則:永遠にいき続けるブランドなど存在しない。安楽死が最適解であることは、よくあることだ。

22.単一性の法則:ブランドの最も重要な要素は、単一性(Singularity)を保つことである。

特に、3、5、11、17あたりが個人的には、なるほどと思わせられました。